自社から発生する木質系原料や家畜ふんなどを、土壌改良材や園芸商品へ生まれ変わらせることができれば、廃棄物の処理にとどまらない新たな事業の可能性が広がります。
例えば、畜産事業者が原料を提供し、建設会社が木質系資源を供給することで、生成した炭を農業資材や家庭菜園向けの商品に活用する事業モデルも考えられるでしょう。
当社では、こうした異業種連携を視野に入れ、熱分解炉による炭化から商品化、余熱利用までを一体で考えた資源循環をご提案しています。
炭を新たな商品や事業に活用する
熱分解炉で生成した炭化物は、土壌改良材としての利用だけでなく、園芸関連商品や住宅関連商品など、さまざまな用途への展開を検討できる資源です。
当社が重視しているのは、炭化物の利用先を具体的に想定し、原料を持つ企業と商品を必要とする企業をつなぐことで、新しい事業の可能性を広げることにあります。
土壌改良材から園芸商品への展開
炭には多孔質と呼ばれる細かな孔を持つ構造があり、原料や炭化条件によっては、土壌の透水性などを改善する資材として利用できます。
農林水産省でも、木炭などを土壌改良資材として位置付けており、炭の性質を生かした土づくりが行われています。
こうした用途を踏まえると、熱分解炉で生成した炭化物についても、品質や安全性を確認したうえで、農業向けの土壌改良材や家庭菜園向け商品への展開を検討することが可能です。
例えば、農業関連企業であれば既存の資材販売ルートを活用した商品展開が考えられ、住宅会社であれば家庭菜園や庭づくりに関連する商品として取り入れる方法もあるでしょう。
畜産・建設・農業をつなぐ異業種連携
熱分解炉による資源循環は、農業や畜産業だけで完結するものではありません。
例えば、畜産事業者から発生する家畜ふん由来の原料と、建設会社が持つ木質系原料を組み合わせ、生成した炭化物を農業事業者や園芸関連企業が利用する事業モデルを検討できます。
この仕組みでは、原料を供給する企業と、生成物を利用する企業がそれぞれの役割を担うため、一社ですべての工程を抱える必要はありません。
さらに、住宅会社や設計会社が緑化関連の商品を企画したり、食品関連企業や製造業が自社の未利用資源を活用したりすることで、参加できる業種の幅も広がります。
原料の種類や事業形態によって実現可能な方法は異なりますが、異なる分野の企業が持つ資源や販路を組み合わせられる点は、資源循環事業の魅力です。
SDGsを具体的な事業へつなげる
企業がSDGsやサーキュラーエコノミーに取り組む際、環境への配慮を具体的な事業活動として示すことも重要になります。
例えば、自社から発生した木質系原料が炭化物となり、農業資材や園芸商品として利用される仕組みを構築できれば、資源がどのように循環しているのかを明確にできます。
生成物の品質や利用先、事業としての継続性を確認しながら進めることで、環境への取り組みを新しい商品やサービスの開発につなげることも考えられるでしょう。
土壌改良材に適した炭の見極め方
炭化物を商品や資材として活用するには、原料の種類、炭化条件、生成物の性質を確認し、利用目的に適しているかを判断する必要があります。
特に土壌改良材では、炭の種類によって期待できる作用が異なるため、利用する土壌や目的との相性を考えることが大切です。
原料によって炭の性質は変わる
木質系原料、竹、もみ殻、家畜ふんなどは、それぞれ含まれる成分が異なるため、炭化後の性質にも違いが生じます。
例えば、木質系の炭は多孔質な構造を生かした土壌物理性の改善が検討される一方、鶏ふん由来の炭ではリン酸やカリウムなどの成分に着目した研究も行われています。
農研機構の研究でも、原料や炭化温度によって、生成した炭の保水性や保肥性、成分含有量などが異なることが示されています。
そのため、土壌改良材として炭を利用する場合には、原料名だけで適性を判断するのではなく、生成物の特徴と利用する土壌の状態を組み合わせて検討することが必要です。
炭化条件も品質を左右する
同じ原料を使用しても、炭化温度や処理条件が変われば、生成物の性質が変化するため、希望する用途に合わせた条件設定が求められます。
土壌改良材としての利用を考える際には、pHや含有成分、粒径、保水性などを必要に応じて確認し、実際の利用条件に適しているかを判断します。
例えば、農業用の資材として継続的に供給する計画であれば、製造する炭の品質が安定しているかという点も、事業化に向けた重要な確認項目です。
生成した炭化物の用途をあらかじめ考えておくことで、必要な原料の選定や設備条件を具体化しやすくなります。
建築由来の木質原料を使う場合
建設会社や住宅会社が木質系原料の炭化を検討する場合には、木材の種類や含水率に加え、塗装や接着剤などの付着物についても確認する必要があります。
建築現場から発生する木質系資源には、加工や表面処理が施された材料も含まれるため、すべてを同じ条件で炭化できるわけではありません。
当社では、原料の状態や想定する生成物の用途を確認しながら、適切な前処理や炭化方法を含めた設備構成を検討します。
特に農業や園芸向けの商品として利用する場合は、炭化物の品質や安全性を確認し、用途に応じた基準や制度上の条件を整理することも欠かせません。
熱分解炉で資源循環を事業化する
炭化物の用途や利用先が見えてきたら、次に考えるのは、原料をどのように処理し、どのような設備で安定的に炭化物を生成するかという点です。
当社では、熱分解炉だけを単体で考えるのではなく、原料の前処理から連続炭化、余熱利用、炭化物の回収までを一連の工程として組み立てています。
原料に合わせた前処理と連続炭化
家畜ふんや木質系原料は、水分量や形状が異なるため、効率的な炭化を進めるには、原料の状態に合わせた設備構成が必要になります。
当社が提案する連続式プラントでは、乾燥設備や熱分解炉、ガス処理設備などを組み合わせ、原料の受け入れから炭化物の回収までを一つの流れとして計画します。
例えば、水分量の多い原料では乾燥工程を組み合わせるなど、原料の特性に応じて前処理を検討することで、安定した運転につながる設備構成を目指します。
また、発生量や運転時間などを確認し、事業計画に適した処理能力を検討することも重要です。
炭化工程から生じる熱を活用する
熱分解炉では、炭化物を生成する工程と併せて、発生する熱を有効利用する方法も検討できます。
当社では、余熱を原料の乾燥工程に活用する構成に加え、ボイラーなどを組み合わせ、農業施設の暖房や給湯、乾燥などへ熱を展開する構想もご提案しています。
例えば、近隣に継続的な熱需要を持つ農業施設や事業所があれば、炭化物の利用先だけでなく、熱の供給先についても検討する余地が生まれます。
実際に利用できる熱量や設備の経済性は原料の種類、処理量、運転条件などによって変わるため、利用先の需要と設備の能力を照らし合わせた計画が必要です。
導入前に確認したい事業条件
熱分解炉を事業として活用するには、設備そのものの性能だけでなく、原料の調達方法や生成物の利用先、運転体制などを整理する必要があります。
例えば、自社で発生する原料を処理する場合と、複数企業から原料を集める場合では、必要な設備規模や運搬方法、運営体制が変わってきます。
炭化物を商品として販売する計画であれば、品質確認や販路の確保、継続的な供給体制についても検討することになるでしょう。
設備計画の具体化にあたっては、処理対象や事業形態に応じた許可・届出などについて、所管自治体や関係機関への確認も含めて進めることが大切です。
まとめ|炭を新しい事業資源へ
熱分解炉によって生成した炭化物は、原料や品質、利用条件を確認することで、土壌改良材や園芸関連商品など、さまざまな用途への活用を検討できます。
また、畜産・建設・農業などの異なる業種が連携し、原料の供給から炭化物の利用、商品化までをつなぐことで、一社だけでは実現しにくい資源循環モデルを構築する可能性も広がります。
当社では、熱分解炉の導入に加え、原料に応じた前処理、連続炭化、余熱利用、生成物の活用先までを見据え、企業ごとの事業計画に合わせたご提案を行っています。
自社から発生する原料を新しい資源として活用したい企業様や、資源循環を生かした新規事業を検討している企業様は、構想段階からGLE株式会社へご相談ください。
GLE株式会社について
GLE株式会社では、熱分解炉を活用し、家畜ふんや木質系原料などの未利用資源を炭化物へ変え、その後の活用まで見据えた資源循環をご提案しています。
熱分解炉だけを単体で考えるのではなく、原料の状態に応じた前処理や乾燥、熱分解・炭化、余熱利用、炭化物の回収までを一つの流れとして捉えています。
生成した炭化物についても、土壌改良材や園芸関連商品、住宅関連商品などへの展開を含め、資源を新たな事業へつなげることを大切にしています。
「自社から出る原料を活用できるか知りたい」「炭化した後の使い道まで考えたい」という段階から、GLE株式会社へお気軽にご相談ください。
【Q&A】
炭化物の利用先が決まっていなくても相談できますか?
はい。原料の種類や発生量、既存事業、想定する利用先などを確認しながら、
土壌改良材や園芸関連商品への展開、異業種連携などの可能性を整理する段階からご相談いただけます。
家畜ふん由来の炭も土壌改良材にできますか?
原料や炭化条件、生成物の性質によっては、土壌改良への活用を検討できます。
ただし、すべての家畜ふん由来の炭が同じ用途に適しているわけではないため、含有成分や利用する土壌の状態などを確認する必要があります。
建築廃材も熱分解炉の原料として使えますか?
木質系を中心とする建築由来の原料については、材質や含水率、塗装・接着剤などの付着物を確認したうえで、炭化方法や生成物の活用先を検討します。
農業向け資材として利用する場合には、用途に応じた品質や安全性の確認も重要です。
熱分解炉で発生した熱も利用できますか?
設備構成や運転条件によっては、余熱を原料の乾燥工程へ利用したり、ボイラーなどを組み合わせて温水や暖房などへ活用したりする方法を検討できます。
具体的な用途は、利用可能な熱量や供給先の需要を確認しながら判断します。
熱分解炉による資源循環は複数企業でも取り組めますか?
はい。例えば、畜産事業者が原料を供給し、建設会社が木質系資源を提供し、農業関連企業が生成した炭化物を活用するなど、複数企業による事業モデルを検討できます。
実現に向けては、原料の性状や品質管理、物流、費用負担、役割分担などを整理することが大切です。
GLE株式会社